2011年5月4日水曜日

攻殻機動隊=インセプション=無意識 おちなし。

先日、小○館の西洋美術系凄腕編集者のTT氏から、
「これぞJAPAN COOLと言える作品だから、必ず見た方が良い!」
とのお告げを受け、その晩の24:00の回を見に、WALD9へ足を運んだ。
何を見たかというと、
『攻殻機動隊S.A.C. SSS』という数年前に作られた作品の3D版。
3Dの効果が半端じゃなく生かされていて、見事でした。
ディズニーとかの3Dなどよりも、完成度が高いと感じました。
TOY STORYみたいな立体的CGの3D効果とは違って、
ほぼ平面のいわゆるアニメ絵を3Dにした方が、その効果が顕著に出ることが
発見でした。
想像力で補完しながら見るので、より立体的に感じます。

3D効果の話はこれくらいにして、
内容のお話を少し。

ほとんどの人がご存知だと思いますが、
この攻殻機動隊S.A.C.シリーズを一言で表すと、「電脳化社会の犯罪捕物帳」です。
「電脳化」とは文字通り脳を電子化することです。
そして脳自体がネットに接続されていて、
頭の中でアクセスし、情報を得たり、映像を送ったり、
会話をしたり(声を出さずに)、
我々がパソコンを使っておこなっていることを脳内でやります。
それが一般化された社会で起こる犯罪。
たとえばハッキングをされると、脳の中をのぞかれる。
または、記憶を改ざんしたり、見えている物を加工したりできるのです。
会話している相手をマイケルジャクソンだと思わせることも可能です。

銀行強盗に入るために、銀行内と建物周辺にいる人全ての脳をハッキングして、
強盗犯である自分の姿をパンダに変えてしまうことも可能なのです。

『攻殻機動隊S.A.C. SSS』には、こんな話が出てきます。
老人の孤独死を回避するために、自動介護システムを装着して、
健康管理を電脳経由で政府関係機関がおこないます。

そこに、虐待等で存在が危うくなった子供を誘拐し、
記憶を改ざんして、その老人の孫もしくは息子に仕立てます。
実はその子供たちは、薬物の人体実験のサンプルにするために誘拐され、
身寄りの無いお年寄りの親族として存在を希薄にされ、
薬物実験の事実を隠蔽します。
老人が死ねば、その子が遺産を相続します。
そうやって財産を吸い上げ、また別の老人のもとへあてがわれます。
酷い話です。

そんな中で、自動介護システムに繋がった大勢の老人の『集団的深層無意識』と
いうものが、人格を帯びて、新たな犯罪を犯します。
ここがおそらく攻殻機動隊シリーズのキモなのではないかと思います。
過去作品にも、クラウドと同じ理論と思えるような
集団的深層無意識の接続の話などもありました。

「無意識」というものはとてつもないポテンシャルを秘めていて、
何をしでかすか解らない。意志が無いので抑止がきかない。
現在の我々の生活でも同じことを感じる。

たまたま最近『インセプション』のブルーレイを見た。
この作品は、攻殻機動隊のコンセプトに近いことを「夢」の中でおこなっている。
「ネット」を「夢」に変えただけとも言える。きっとパクったと思います。
インセプションでは、夢を共有できる。
他人の夢に入り込める。そこで、アイデアや重要な記憶を盗む企業テロの話です。

通常、人はここが夢なのか現実なのか判断できないままに行動する。
夢ってそういうものですよね。
そこに犯罪目的に侵入してきた敵がいても、
仲間を装ってしまえば、疑うことはしない。
つまりなされるがままになってしまいます。

そこで夢のテロ対策として、「無意識の武装化」という言葉が出てくる。
それは訓練で体得できるそうで、その結果、無意識を武装化できるのです。
企業の要職に就く人はみな訓練を受けるのです。

どういうふうに武装するかというと、
自分の意志とは関係無しに、夢の中に銃を持った戦闘員が勝手に配備されて、
犯罪目的で夢の中に侵入してきた人物を識別して攻撃します。

「無意識の武装化」この言葉だけでお腹いっぱいです。

たまたま立て続けにこの2本を見たので、
無意識に対する興味が湧いています。

おちなし。

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